スタッフ全員が音楽経験者のミュージション(MUSISION)。だから、音楽家の苦労が分かるんです!

防音マンション・楽器可マンションブランドの「顔」にインタビュー。第一弾は、株式会社リブランが展開しているミュージション(MUSISION)の山下大輔さんです。
ミュージションとは、24時間演奏できる防音性能をコンセプトに東京都・神奈川県・埼玉県に11棟約300室を備える防音マンション
ブランドの成り立ちや運営状況などをお聞きすると同時に、長年のバンド活動を経て株式会社リブランに入社したという山下さんに、仕事に対する想いなどを直撃しました!(9月某日ミュージション東日本橋にて)

ミュージションの始まりは、「自分の家で趣味ができない日本の住宅」への疑問

──まず初めに、ミュージションが始まった時期ときっかけを教えてください。

山下 20数年くらい前の話になりますが、分譲マンション最上階角部屋に住んでいた当社の社長が自宅に帰ると、奥様が玄関に突っ伏して泣いていたそうです。奥様は趣味でバイオリンを弾く人。「どうしたの?」と聞いたら、奥様はドアも窓もカーテンも閉め切り一番奥の部屋でバイオリンを弾いていたのに隣の人から怒鳴り込まれた、と。ビックリして泣いてしまったのです。

山下 このとき社長は怒鳴り込んだ隣の人への怒りではなく、「自分の家で自分の趣味ができない日本の住宅ってどうなの?」と思ったそうです。戦後の住宅不足のなか、壁の厚さや間取りなどは二の次で効率のいいマンションを建ててきたけれども、本来、家って違うんじゃないか?だったら、家で楽器が弾けるマンションを造ったらどうか…というので始めたと聞いています。

──なるほど。当時からすると大きな挑戦ですね。1棟目から成功したのですか?

山下 1棟目は半地下にスタジオを造って、「ここで思いっきり音出していいですよ」としました。が、音を出したら3階で聞こえてしまって…。下水の配管がダメだったらしいです。その失敗を踏まえ、数年後、川越に65戸のマンションを建てました。それがミュージション川越。ミュージションシリーズの1棟目になりました。

防音マンション ミュージション川越
シリーズ第1棟目「ミュージション川越」は2000年3月竣工。

ブランドコンセプトは高い遮音性能。「もっと音楽がある世の中にする」を目的に

──ミュージションのブランドコンセプトを教えてください。

山下 やはり「高い遮音性能」になります。物件によりバラつきがありますが、もっとも高いD値(遮音性能)を出しているのが、このミュージション東日本橋でD値85を達成しています。実際の体感で、金管楽器4本を吹かれても隣の部屋が気付かないレベル。店舗にあるようなカラオケでも実験しましたが、気持ちのいい音量で歌っても隣の部屋でほぼ気づきません。グランドピアノの音量だったら、24時間演奏できる遮音性能になります。また、ミュージション事業部の目的は、「もっと音楽がある世の中にしたい」ということ。例えるなら、路上ミュージシャンが演奏していても「うるさいな」と通り過ぎる人ばかりじゃなく、「お、がんばってるな」と立ち止まったりする人が大勢いるような世の中ですね。

ミュージション
ミュージションの目的は「もっと音楽がある世の中にすること」。

──理想的ですね。物件の管理も行っているそうですが、一般の賃貸物件と違う部分は何ですか?

山下 通常の管理よりもう一歩踏み込んだ管理をしています。一般のマンションで音のクレームがあると、張り紙や手紙の投函の注意で終わることがほとんどですが、ミュージションでは、まず近隣にヒヤリングをして発生源と思われるお宅に騒音計を持ってお邪魔します。実際に音を出してもらい、「この周波数帯だったらこのくらいまで大丈夫」というように、ミュージションにお住まいのみなさまができる限り音楽を楽しめるようアドバイスします。

山下 事例として、ギター教室として使っているミュージションで踵でリズムを取る衝撃音が他の部屋に伝わってしまうことがありましたが、双方の入居者さんに協力してもらい、さまざまな実験を行った上で、最終的に消音マットを施工して、「この上で演奏をやってください」としました。なるベくお互いが我慢しないように、ルールの中で音をコントロールするといった対応をやらせていただいています。

ミュージション
最新のミュージションシリーズ、MUSISION東日本橋

──入居者コミュニティ「ミュージションズクラブ」はいつできたのですか?

山下 じつは僕が4年半前に入社したときは、入居者の募集業務も管理業務も当社でやっておらず、コミュニティもありませんでした。当時は空室も多かったので「もっと認知度を上げなければ」と社内で言っていたら、「じゃあ山下が入居者募集業務やっちゃえば?経験あるんだし」ということになったのです。

山下 お客様とのやりとりが始まると、みなさんの生活ぶりが分かってきました。仕事が終わって帰って食事して、さあ楽器を弾こうとすると夜。だからミュージションに入ってくるんですね。さらに、会社員の方が多くお住まいなことから、ライブ活動はやらずに家で楽しむだけの人も多いことも分かりました。「それじゃ音楽がおもしろくなくなるんじゃないか?」と危惧した私は、セッションイベントを企画して一軒一軒参加を呼びかけました。でも、これがすごく面倒で(笑)。「だったら音楽を楽しむためのクラブをつくっちゃおう!」とミュージションズクラブを立ち上げたのが始まりです。管理についても、入居者さんと仲良くなるにつれて入居後の困りごとや管理会社の対応も耳に入るようになり、「そんな管理じゃダメだな」と自分たちでやり始めました。

ミュージション
ミュージションズクラブ最大のイベント「ヒマつぶし音学祭」。2016年は上野水上野外音楽堂で開催した。
ミュージション ヒマつぶし音楽祭2017
2017年「ヒマつぶし音楽祭」は10月22日開催!

スタッフは全員が音楽経験者。だから音楽家の苦労が分かる

──ミュージション事業部のスタッフは音楽経験者が多いのですか?

山下 私を含め全員音楽経験者です。ですから、音楽家がどういう人間なのか、どんなことに苦労しているか、どんなことに虐げられているかをよく知っています。

──山下さんにはどんな音楽経験があるのですか?ドラマーだったとお聞きしていますが。

山下 小6からドラムを始めました。きっかけは鼓笛隊で小太鼓がやりたかったのに、たまたま休んだ日に小太鼓が他のコに決まってしまって、「くそーやってられない。小太鼓じゃなくドラムだ!」とスクールに入りました(笑)。スクールでも小学生は初めてで基礎の基礎から叩き込まれましたね。

ミュージション
ミュージション事業部のスタッフたち。ジャンルは違えど音楽経験ある者同士なので和気あいあい!

山下 中学生から高校生に混ざってバンドをやって、高校生では社会人に混ざってバンドをやって。19歳から始めたsubmenは、地元大分県で少しは名の知れたバンドになりました。でも、このままじゃダメだと思って一人東京に出てきたらメンバーが追ってきた。そこから、昼間仕事して夜スタジオに入ってライブして打ち上げやってツアーに出て…をひたすら繰り返して。そんな苦しい生活を何年も続けている中で、「売れるためにもうひと踏ん張りしなきゃ」と感じたときに、正直「もう無理だ」と思ってしまった。これまでの活動をさらに加速させることはできないと感じました。これじゃ他のメンバーの足を引っ張るだけだと思い、辞めることにしたんです。

入居者さんに「もっと楽しんで音楽をやってもらいたい」という想いは人一倍!

山下 バンドを辞めた後も「できれば音楽に携わりたい」という思いがありました。人生をかけていたバンドを辞めたので、人生をかけられるおもしろい仕事に就きたいと思い、ずっといろいろな職業の求人を見ていました。そして、あるとき見つけたのが、「ミュージションという防音マンションを世の中に広めるお仕事をしませんか?」という求人広告。「これだ!」と思い、応募したというわけです。

 山下 それこそバンド時代は、メンバーと夜の公園の自動販売機の灯りの前で、ああでもないこうでもないと曲をつくったりしてました。部屋でやっていて苦情が来たこともありましたね。そんな経験をしているので、入居者さんには「もっと楽しんで音楽をやってもらいたい」という想いが人一倍あります。

ミュージション
バンド時代に苦労したからこそ、いまの思いがある。

──いまでもドラムを叩く機会はあるのですか?

山下 ミュージションズクラブのイベントでたまに。今度メジャーデビューすることになった入居者さんの助っ人でカホンを叩いたりすることもあります(笑)。入居者さんの年代は20代後半~30代がメイン。世代的にそんなに離れていないから、「頼れる兄ちゃん的な存在」になりたい。「困ったらあの人に相談してみよう」って思ってもらえたらうれしいですね!

──ミュージションは山下さんにとってまさに天職ですね。

山下 バンド時代はずっと音楽に助けられ、この仕事に出会ったことで会社にも助けられました。音楽と不動産を通して音楽と会社、そして社会に恩返しができたら…と常々思っています。私はバンドをやっていたので、社会人としては10年出遅れていると思っています。そんな私にミュージションの仕事を与えてくれた会社には非常に感謝しています。

イベントでドラムを叩く山下さん

ミュージションの今とこれから。新たな4棟が年内にオープン!

──現在、ミュージションの入居者はどんな方が多いですか?

山下 当然入居者さんの中にはプロの演奏家や作曲家の方たちもいらっしゃいますが、多くの方は社会人で、昼間は仕事して趣味で音楽を楽しんでいる方ですね。楽器はピアノがダントツ多いです。男女比はやや男性が多いくらい。最近多いのはDTMの人。DTMはヘッドフォンで対応できないわけではありませんが、スピーカーからの音を確認したり、人を呼んで録音したりといった作業があるために、ミュージションのニーズがあります。また、自分で歌ってネット配信する人や、ボーカル・楽器教室も増えています。ミュージションはもともと防音なため音楽教室で借りる際のハードルが低いので、教室をやりたい方にもぜひおすすめしたいです。

──新しいミュージションの予定は?

山下 年末までに23区内に2棟、神奈川県に2棟のミュージションがオープンする予定です。4棟のなかには2人暮らしやファミリー向けの部屋があるミュージション、ライブハウス(イベントホール)を併設しているミュージションも含まれます。このライブハウスは、もともとライブハウスを運営していた人間が設計から携わっているので、動線がとても気持ちよく、クラシックのコンサートができる設備もあります。ミュージションウェブサイトで発表するので、興味がある方はこまめにチェックしてください!

ミュージション
MUSISIONウェブサイト

この記事を書いた人

編集部 中根
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