集合住宅に住む時気をつけること(構造・位置・GL工法・規約)

集合住宅とは1棟の建物内に複数の住戸が区画された、マンションやアパートを指します。一軒家よりも隣人が近くに住んでいる状況となり、音のトラブルはより発生しやすくなります。ここでは集合住宅で楽器を演奏する際に気を付けることを述べます。

そもそも規約上として楽器演奏不可な場合もありますので、詳細は不動産会社等にお問い合わせください。

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隣人トラブルをさけるために

まずは音以外の部分でもまわりとの関係性を築くことが大切です。引っ越した時は一言挨拶に行く、建物内で会った際に挨拶をするなど、全く知らない関係より、知っている関係の方がトラブルの発生は低くなります。

マンションであれば規約に「時間制限」が明記されている場合はそれ以外の時間は音出しをしないことが求められます。また隣人とはあらかじめ「音出しは何時から何時まで」と取り決めをしておくことも、その時間内の範囲は我慢するというお互いの交渉がやりやすくなります。

ただし、中には関係性を全く築くことができない隣人もいます。生活パターンの違いや、音に対する精神的理由など原因はさまざまです。そんな場合は歩み寄ることを早い段階であきらめ、防音室などを検討するのが賢明でしょう。

ちょっとした挨拶がトラブル防止に役立ちます

鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリート、鉄骨、木造による防音の強さ比較

不動産情報には建物の構造が明記してあります。一般的に木造の集合住宅はアパートと呼ばれ、その他はマンションと呼ばれています。

防音の面から強いのは、順に
[鉄筋コンクリート造>鉄筋鉄骨コンクリート造>鉄骨造>木造]
です。

鉄筋コンクリート(RC造)は鉄筋を組んだ型枠の中にコンクリートを流し込み固めた、地震などにも強い構造です。コンクリートの重さが重いため防音にも最も強い構造と言えます。同様の重量の理由から高層の建物には使用できません。

鉄筋鉄骨コンクリート(SRC造)はRC造と似ていますが、支柱に鉄骨を使用し、その周りに鉄筋を組んでコンクリートを流し固めます。高層建築にも対応でき、一見音にも強そうに見えますが、鉄骨の中を音が伝わる可能性があるため防音の面からはRC造より弱くなる可能性があります。

鉄骨造(S造)は柱に鉄骨を使い、壁はパネルなどを使って組み立てます。大空間を構成することが可能です。しかし壁は軽い重量のパネルやボード素材となるので防音は弱くなります。またSRC造と同様に鉄骨の中を音が伝わる可能性があります。

木造は木を柱として、壁をベニヤやボードなどで仕上げます。安価で施工がしやすい構造ですが、音の面では最も弱い構造といえます。

上記をまとめると、音に対して最も強い建物は10階建て以下の鉄筋コンクリート(RC造)といえます。高層のタワーマンションなどは上階にいくほど軽い材料で作る必要があるため、防音性能は落ちる可能性があります。大手のマンションではあらかじめ防音性能を測定している場合がありますので、確認する方が安心です。

コンクリートの量と鉄骨の有無によって防音性能が変わる

防音的に有利な部屋の位置

基本的に音楽室の上下左右に隣の家の居室が接しないことが理想です。角部屋・1F・最上階などは防音の面で有利です。

ピアノ・チェロ・打楽器などの楽器が床に触れる楽器は1Fに、ヴァイオリン・フルートなど立って演奏する高い音域の楽器は最上階がより有利になります。

また、音楽室に接する隣の家の部屋が「トイレ・風呂」など常時滞在しない部屋な場合は有利になります。逆に、接する部屋が寝室などの場合は、夜中の演奏は控えたほうが良いかもしれません。

気を付けなければいけないGL(ジーエル)工法

鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造が防音の面で強いというお話をしましたが、気を付ける点があります。壁に「GL工法」という施工法を使っている場合です。

これはコンクリート面にボンドを塗り、仕上げのボードを貼っています。建築性能上は全く問題なく、工期短縮と仕上げまでの距離が短くなるため、部屋がより広く使えるメリットがあります。

GL工法ではコンクリート壁にGLボンドを塗って、石膏ボードを接着する

しかし、音の面ではコンクリートとボードに間で太鼓現象というのが起きて壁の振動を増幅させます。その結果、上下左右ではなく、3軒向こうや2つ上の階など、予想できない場所で音が聞こえることがあります。

GL工法は壁を叩くとカンカンと甲高い音がします。不動産情報にGL工法かを書いていることはほぼありません。内見の際にご自分で確認する方法しかありません。

この壁だった場合、分譲マンションなどリフォーム可能な物件ではこの壁を取り壊したほうが防音性能は上がります。賃貸マンションではこの壁に吸音材を貼ったり、壁から離して防音室を作ったりすることをおすすめします。

最近のマンションは防音などに配慮していることもあり、GL工法を使っていない建物も増えています。

まとめ

今回は集合住宅に住むときに気を付けることを述べました。防音性能を気にする際は、建物の構造と部屋の位置を確認しましょう。ただし、GL工法のように建築性能と防音性能は別の場合もあるので注意が必要です。

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