10月19日(金)~21日(日)まで開催された楽器フェア2018、カナデルーム編集担当Tも取材陣として初参加してきました。新製品を先取りで試奏できたり有名ミュージシャンの演奏を観たりと、楽器好きギタリストの僕にはかなり楽しいイベントでした〜。
およそ150社の出展から僕が注目したのはエキゾチック(Xotic)のギター。エキゾチックはクオリティの高い楽器を製作販売するアメリカのブランドです。最近では有名なベーシストであるチャック・レイニー氏が使用していたりと、その評価は折り紙つき。以前から楽器店でよく見かけていたので興味を持っていました。
人気のエキゾチック・ギターシリーズからテレキャスター・タイプが新登場!
19日の楽器フェア初日、ギター関連機材の製造・輸入販売をしているPCI JAPANの出展ブースには取扱いブランドであるエキゾチック(Xotic)の新しいギターがずらりと並んでいました。
1996年アメリカで誕生したエキゾチック(Xotic)は、始めはベースを主に製作していました。2016年に「エイジド加工」を施したストラトキャスター・タイプのギター、XSCシリーズを発売。エイジド加工とは新品のギターにあえて傷や汚れ、塗装や木目の変色などを加えて「経年」を再現するもの。ヴィンテージなルックスのギターに現代的に進化したパーツや機能を組み込むという近年のトレンドにもなっています。
このエイジド加工のリアルなルックスと音の良さで人気だったXSCシリーズに、テレキャスター・タイプのXTCシリーズが新登場。楽器フェアの初日(10月19日)に発売されました。
今回、PCI JAPANの黒川さんにXTCシリーズの詳細がお聞きできました!以下をどうぞ。
ヴィンテージギターの忠実な再現と木材へのこだわり
──まずはXTCシリーズのコンセプトについて教えてください。
黒川 XTCシリーズは、ストラトキャスター・タイプを中心とするXSCシリーズに続く「エイジド加工」シリーズの第二弾として製作されました。ギターのデザイナーが所有していた1958年製のフェンダー・テレキャスターを細部まで採寸・記録するところから製作をスタートし、ヴィンテージギターの経年による色味の変化や塗装の剥げ具合などを忠実に再現しています。

──ヴィンテージギターの再現がコンセプトなのですね。そのほかに特徴などはありますか?
黒川 XTCシリーズのギターは木材に「ローステッド・フレイム・メイプル」を使っています。通常のメイプル材は白くシンプルな色味ですが、高温の窯に入れて燻し水分を飛ばすことで、色の変化に加えてヴィンテージのような鳴りの響きになる加工を施してあります。

──渋みのある色合いが格好いいですよね。展示されているギターにはカラーリングの種類がいくつかあるようですが、どのような違いがあるのでしょうか?
黒川 アッシュ・ボディーにメイプル指板のタイプは50年代を、ブラックのピックガードは50年代後半をイメージしています。また、ホワイトブロンドカラーのタイプは57年仕様を目指して製作しています。XTCシリーズはとても完成度が高いタイプですが、発売後も常にボディーのシェイプを研究し、改良を重ねています。また、今回の楽器フェアでの発売には間に合わなかったものの、アルダー・ボディーにローズ指板を組み合わせたタイプなどもありますし、今後はどんどんバリエーションを増やしていきたいですね。

──ありがとうございます。外見だけじゃなく音もヴィンテージに近いギターとお聞きして僕も弾いてみたくなりました。いいですか?
黒川 もちろん。
XTCシリーズを実際に試奏してみた!
早速、僕もXTCシリーズのテレキャスター・タイプを試奏させてもらいました。
まず、ギターを持ってみて驚いたのがボディーの軽さ!持っているのを忘れそうなほど軽くて、ステージでの取り回しにはバッチリという感じ。渋い色味のネックは少し丸めのシェイプで、握ったときの手触り・フィット感もよかったです。 実際にアンプに繋いで弾いてみると、締まりのある低音とテレキャスター特有の高音の倍音が相まって、豊かなサウンドに仕上がっていました。やはり木材が良いのか、コードを鳴らした時にボディーの振動がよく伝わってきて、胸や腕からも音の響きを感じるほど。 搭載されているロー・ヴィンテージのピックアップはとても反応がよく、弦をはじいた瞬間に音が飛んでいくような、テレキャスターならではの「音の速さ」を感じました。
発音がスムーズなギターは弾く人の表現を逃さず伝えてくれるので、より自由度が高く気持ちの良い演奏ができると思います。 ヴィンテージ感のあるルックスや、ピッキングのニュアンスを忠実に拾ってくれる反応の良さ、倍音の豊かなクリーントーンが出るギターということで、特にブルースやロック、カントリーなどのルーツミュージックを演奏するギタリストにはオススメなシリーズだと感じました。

生産本数はまだ少なめ。試奏は各楽器店でどうぞ!
僕も1本欲しくなって在庫があるか聞いてみたのですが、このとき置いてあったギターはすでに各地の楽器店に売約済みとのこと。現在はアメリカで月に40本程度のペースでテレキャスター・タイプの製作が進んでいて、日本にはそのうちの10本が入ってくるかどうか、という状況だそうです。
◎エキゾチック XTCシリーズの取扱いがある楽器店
・クロサワ楽器店
・イケベ楽器店
・山野楽器
・島村楽器
あまり生産本数が多くないのは、仕上がりを大きく左右するラッカー塗装の工程にしっかりと時間をかけているからとのこと。個人的な経験から言って、生産本数が少なく評価の高いギターは店頭に出てから売れるまでがとても早いので、この記事を読んでXTCシリーズが気になった方は、楽器店で見かけたらすぐに試奏してみることをおすすめします!
XTCシリーズ・ギターの詳細な情報はエキゾチック公式ウェブサイトで確認することができます!演奏動画で実際の音を聴くことができるので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね〜。

おまけ
PCI JAPANのブースでは有名なジャズ・フュージョンギタリストであるAllen Hinds氏の生演奏イベントも!エキゾチックのギターとXoticのエフェクターなどを使用して、素晴らしいトーンを響かせていました!僕もいつかあんな風にギターを弾けるようになりたい。。
