演奏者が満足する「響き」を追求。ヤマハの防音室「アビテックス」を体感してきた!

自宅で毎日のように練習したい楽器演奏者にとって、楽器可賃貸や防音マンション以外の選択肢となるもの…それが防音室です。今回ご紹介するのは、ヤマハが展開する防音室「アビテックス」シリーズ。防音というと、どのくらい聞こえなくなるのかを実際に耳で確かめてみなければ実際よく分かりません。そこで、港区高輪にある「アビテックス」ショールームをお訪ねしました!

ユニットタイプ「セフィーネNS」は楽器に合わせて選べる9タイプ

防音室 ヤマハ

この日応対してくれたのは、ヤマハミュージックジャパンアビテックス担当の吉田さん。まずはユニット型の防音室「アビテックス セフィーネNS」の概要と種類からご説明いただきました。

「アビテックスはお部屋に置くユニットタイプの防音室です。なお、設置・組立は専門業者が行います。建物側に固定しないので賃貸のお部屋にも傷がつきませんし、撤去すれば元通りにできます。在来の防音工事の防音室は工事が終わってみないと防音性能が分からない部分がありますが、ユニット式なら工場で作った高精度パネルを組み立てるので、きちんと防音性能が出るのが特徴です」

「セフィーネNS」ラインナップ

  利用できる楽器・使い方 設置例 防音室価格(税別)組立・運送料別途
0.8畳 声楽、クラリネット、オーボエ、フルート、ギター

cefine_p6_01

Dr-35:580,000円
Dr-40:830,000円
1.2畳 声楽、クラリネット、フルート、サックス、ギター  cefine_p6_02 Dr-35:650,000円/790,000円※
Dr-40:930,000円/1,150,000円※
1.5畳 管楽器、弦楽器、声楽 cefine_p6_03 Dr-35:730,000円/890,000円※
Dr-40:1,050,000円/1,300,000円※
2.0畳 アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース cefine_p7_01 Dr-35:980,000円/1,150,000円※
Dr-40:1,350,000円/1,500,000円※
2.5畳 アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース、レッスン  cefine_p7_02 Dr-35:1,130,000円/1,290,000円※
Dr-40:1,490,000円/1,700,000円※
3.0畳 グランドピアノ、アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース  cefine_p8_01 Dr-35:1,240,000円/1,390,000円※
Dr-40:1,600,000円/1,750,000円※
3.5畳 グランドピアノ、アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース  cefine_p8_02 Dr-35:1,410,000円/1,600,000円※
Dr-40:1,800,000円/2,010,000円※
3.7畳 グランドピアノ、アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース、シアター、レッスン  cefine_p9_01 Dr-35:1,510,000円/1,700,000円※
Dr-40:1,850,000円/2,060,000円※
4.3畳 グランドピアノ、アップライトピアノ、管楽器、弦楽器、声楽、音楽制作、録音ブース、シアター、レッスン  cefine_p9_02

Dr-35:1,680,000円/1,850,000円※
Dr-40:2,060,000円/2,270,000円※

※は天井高が+200㎜のタイプです。

吉田さんによると、Dr-35とは「音を35デシベル下げる」という意味。つまり、Dr-40は「音を40デシベル下げる」ので、Dr-35 より防音性能が高くなります。価格もDr-40のほうが高いそうで、このショールームではDr-35とDr-40の違いを聞いて確かめることができる、とのこと。早速、防音室「セフィーネNS」を体験してみました!

防音室 ヤマハ
ピアノの音でDr-35 とDr-40の違いを体感できます。

まずはアップライトピアノが置いてある「セフィーネNS」Dr-35の中に入り、吉田さんがピアノの自動演奏をスタートします。結構な音量ですがうるさくて嫌な感じはしません。

「セフィーネNSには好みに合わせて響きが調整できる調音パネルが標準装備されています。ヤマハの防音室は楽器演奏用に作っているので、防音だけではなくて室内の音響にこだわって造っています。音が響きすぎたりこもったりしないよう吸音と拡散のバランスが考えられていて、長時間演奏しても疲れにくくなります」

好みの響きに調整できる音場壁パネル

防音室 ヤマハ

なるほど。演奏する人への聞こえ方に工夫がある防音室というわけですね。さて、ピアノの音を鳴らしたまま「セフィーネNS」の外へ出てドアを閉めると、音は確実に小さくなりました。が、もちろんまだ聞こえます。

「ピアノの音量は80~100デシベルです。仮に90だとすると35小さくなるから55デシベルになります。55デシベルというと、テレビの音とか会話くらいですね。ピアノの大きな音が日常生活の音くらいになったことになります。これがお隣の部屋とかご近所になると、ゼロにはなりませんがほとんど聞こえないくらいですね」

テレビの音とか会話くらいになれば、隣近所への対策として問題はないはずです。続いてDr-40 へ。同じくピアノの自動演奏をスタートしてドアを閉めると、先ほどのDr-35 よりもさらに音が小さく聞こえました。Dr-35との5デシベルの差は、素人が聞いても簡単に分かりました。

防音室 ヤマハ
階下への遮音のため、床フレームにより一段高くなっている。

賃貸のお部屋にも設置できるようですが、重量はどうなっているのでしょうか?防音にはある程度、重さのあるものが有効といわれますが…。

「アップライトピアノのタイプ(2.0畳)で418キロ~です。マンションへ設置されるお客様は多いです(マンションへの確認は必要です)。ヤマハアビテックスは月額1万円台からレンタルも可能です。また、レンタル料を充当しその物件を購入することもできます」

音レント(ヤマハ楽器レンタル・リース総合サイト)

お部屋を防音室に施工する「アビテックス フリー」

続いて吉田さんが案内してくれたのは、自由設計の「アビテックス フリー」。こちらはお部屋自体を防音室にする施工タイプの商品です。

防音室 ヤマハ

アビテックスフリーは、部屋に合わせて作る防音室です。防音性能はDr-30、Dr-35、Dr-40の3段階、室内の音調設計はベーシック、ハイグレード、スペシャルまでの3種類あり、この組み合わせから選んでいただきます」

防音室施工となると、24時間演奏が可能となるのでしょうか?

「防音室単体の性能ですので24時間とはいえませんが、一般のマンション内に施工すると、マイナス60デシベルくらいになるのでほとんど聞こえません。とはいえ、夜中は静かなので全然聞こえないわけではありません」

手軽に導入できるユニットタイプと、自由設計タイプの「アビテックス」シリーズ。どちらも「もっと自宅で楽器を演奏したい!」という演奏家たちをバックアップしてくれるアイテムです。また、賃貸物件のオーナーさんには空室対策として活用できそうな防音室。ヤマハウェブサイトにも専用ページがあるので、ご興味あるオーナー様は以下からご覧ください。

空室対策 (賃貸オーナー様向け)

この記事を書いた人

編集部 中根
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