ドラム初心者のためのスネア・メンテナンス講座【ヘッド交換編】

初めて自分のスネアを買ったという初心者ドラマーさんに、基本的なスネアのメンテナンス方法をご紹介します。

スネアの状態をキープして、いつでもいい音がなるようにしておくには日頃のメンテナンスが欠かせません。今回はスネアのメンテナンスで1番の基本であるヘッド交換の仕方をご紹介します。

記事の最後にはメンテナンス解説動画も掲載しています。

スネアの各パーツ紹介

ヘッド交換の前に、まずは各パーツを紹介します。ヘッドとは、ドラムの表裏に張ってある丸い膜のようなパーツです。直接スティックで叩く部分なので、演奏していくうちにすり減ったり凹んだりして、消耗します。普段から状態を確認して、定期的に交換するようにしましょう。

まずは、下の写真を見ながらスネアの各パーツの名称を確認してみましょう。

スネアの本体である円筒状のボディーを「シェル」、スティックで叩くための丸い面を「ヘッド」、ヘッドをシェルに固定するための金属製の輪を「フープ(リム)」と呼びます。

シェルの側面には「ラグ」があり、「ボルト」の受け穴の役割を持ちます。ボルトを締めたり緩めたりすることでヘッドのチューニングを行うことができます。

スネアドラムの各部名称

スネアの裏面には「スナッピー」というパーツがあり、シェルの横にある「ストレイナー」の「レバー」を操作することで、スナッピーをスネアに密着させたり、離したりできます。スナッピーがスネアに密着している状態を「オン」、離れている状態を「オフ」といいます。

スネア裏面のパーツとその名称

スネアのメンテナンスに必要なもの

スネアのメンテナンスでは次のグッズを使います。どれも長く使えるものばかりなので、一度揃えておくとよいでしょう。楽器店やネット通販、お近くのホームセンターなどで簡単に購入できます。

メンテナンス・グッズ

【今回メンテナンスで使用するグッズ一覧】
チューニングキー(パーツを外すための器具、2つあると便利)
六角レンチ
楽器用のクロス(キメの細かい布、仕上げに使います)
④ウエス数枚(あまっている布や着古したT-シャツの切れ端でOK)
⑤KURE社製:「CRC 5-56」(サビ落とし・潤滑油)
⑥KURE社製:「CRC スーパーグリスメイト」(潤滑油)
⑦日本磨料工業製:「ピカール」(研磨剤)
ドライバー(プラス/マイナス)
ラジオペンチプライヤー
⑩歯ブラシ
綿棒

スネアのヘッド交換は6ステップ

ヘッド交換は次の6つのステップで行います。順を追って方法を確認していきましょう。カッコ内の分数は解説動画でその項目の作業をしている場面へのリンクになっています。メンテナンスの様子を動画で確認したいときは分数をクリックしてみてくださいね。

1. ヘッドを外す / (0:00〜)
2. ボルトとワッシャーを掃除する / (1:33〜)
3. フープを掃除する / (3:10〜)
4. スネア本体を掃除する / (4:29〜)
5. ヘッドを張り替えて固定する / (4:56〜)
6. スナッピーを取り付ける / (7:25〜)

1. ヘッドを外す / (0:00〜)

まずは、チューニングキーを使ってボルトとワッシャー(薄くて小さなドーナツ型の輪)を外します。全てのボルトを外すと、ヘッドを固定しているフープとヘッドが外れます。

チューニングキーでボルトを外します。

ボルトとワッシャー、フープをはずした状態です。

ワンポイントアドバイス!

・ボルトやワッシャーなどの細かいパーツは床に落とすと探すのが大変!小皿に入れたり、布などの上にまとめる。

2. ボルトとワッシャーを磨く / (1:33〜)

ボルトのメンテナンスではKURE社製の「CRC 5-56」というオイルを使います。楽器店でも同様のオイルがありますが少し割高なので、ネットやホームセンターで購入した方がお手頃です。

ワンポイントアドバイス!

・オイルはスプレータイプがベスト、市販のミシンオイルでもOK。

・KURE社製「CRC 6-66」や「パーツクリーナー」を使っても良い。

・基本的にサビ防止効果のある潤滑油を使用すること。

ボルトに「CRC 5-56」オイルをつけて、2〜30秒ほどしみ込ませます。十分にしみ込んだら歯ブラシを使ってボルトを磨き、ウエスを使ってキレイに拭き取ります。ボルトが終わったら、同じ手順でワッシャーも掃除します。

ボルトにオイルをつけて、よくしみ込ませます。
ウエスなどで汚れを拭き取ります。
右側が掃除する前、左が掃除した後。汚れやくすみが落ちているのがわかります。

ワンポイントアドバイス!

・ボルトやワッシャーをティッシュで拭くのはNG!必ずウエスかクロスなどの布類を使うこと。

ボルトとワッシャーがキレイになったところで、ボルトを摩擦から保護するためにグリスを塗ります。ここではKURE社製の「CRC スーパーグリスメイト」を使用します。ボルトの先1/3のところに少し吹きかけて、ウエスでなじませます。

KURE社製の「CRC スーパーグリスメイト」を吹きかけ、ウエスでボルト拭きながらなじませます。

ワンポイントアドバイス!

・ボルトのネジはチューニングやヘッド交換するたびに負荷がかかるので、しっかりしたメンテナンスが必要。

・粘度が高いオイルを使うと効果が長持ち。

・グリスの付けすぎはNG!ホコリが着いてボルトを締めづらくなったり、チューニングができなくなることも。

・ボルトに曲がりやネジ山のキズがあったら、新品に交換する。スネアのメーカーと型番、サイズを確認してから、必ず楽器店にボルトを持っていって探すこと。

3. フープを掃除する / (3:10〜)

まず、ヘッドとフープのスキマに、スティックの木くずやホコリがたまっていれば取り除きます。次に先ほど使用した「CRC 5-56」オイルをウエスに染み込ませ、フープの外側と内側を拭きます。

長く使っているスネアや、少し古いスネアだと、フープの内側にサビがついていることがあります。この場合は、綿棒に日本磨料工業製の「ピカール」を少量つけて歯ブラシで磨き、ウエスで拭き取ります。

最後にフープ全体をきれいなウエスで乾拭きしたらフープの掃除は完了です。

ピカール綿棒につけ、フープに塗ります。その後、歯ブラシなどで磨きます。
ウエスで汚れを拭き取ります。

ワンポイントアドバイス!

・よく紹介されている金属ブラシなどで磨く方法は、フープをキズつけてしまうため避ける。

・あまりにサビつきが激しい場合は、新しいフープに交換する。

4. スネア本体を掃除する / (4:29〜)

シェル(スネア本体)に装着されているラグは、シェルとヘッドを繋ぐ重要なパーツです。まずラグをクロスでカラ拭きします。ラグの内側(ボルトが入る部分)は、綿棒を使ってキレイに拭き取りましょう。最後にシェルの表面をクロスで拭けばOKです。

ラグを磨きます。

シェル内側のラグを固定するためのネジは、スネアを叩いた衝撃で緩んでいることがあります。その場合、ドライバー六角レンチラジオペンチなどで締めておきましょう。決して強く回さないように!軽く締める程度でOKです。

ラグの固定用ネジ。ここの汚れもきちんと落とすこと。

KURE社製「CRC 5-56」を使って掃除し、その後ドライバー六角レンチラジオペンチでネジを軽く締めます。ラグと同様にストレイナー部分のチェックも忘れずに。

5. ヘッドを張り替えて固定する / (4:56〜)

各部の掃除とメンテナンスが終わったら新しいヘッドを張っていきましょう。フープとボルトやワッシャーが正しい位置になっているか確認しながら、チューニングキーを使ってボルトを締めていきます。

ヘッドをシェルに合わせ、フープを被せます。

ワンポイントアドバイス!

・ボルトは1本ずつ一気に締めるのではなく、全てのボトルを少しずつ締めていく。

6. スナッピーを取り付ける / (7:25〜)

ヘッドを張ったら、スネアの裏面を上にしてスナッピーを取り付けます。

スナッピーがスネアの中央にくるようセット

スナッピーのひもは2箇所固定します。まずは、ストレイナーの反対側の2枚の金属プレートについたネジをドライバーでゆるめ、プレートに挟み込む形でひもを通しネジを締めて固定します。その後、ストレイナーの穴に紐を通して、スナッピーの張り具合を調整しながら結んで固定します。

ヒモはキツすぎず、緩すぎない強さで固定しましょう。
スナッピーを取り付けた状態。

ワンポイントアドバイス!

・ヒモの取り付けは、ストレイナーのレバーを開いた状態(オフ)にしておくと作業がしやすい。

・スナッピーが強く引っ張られすぎるとオン/オフができなくなってしまうため、レバーを操作して感触を確かめながらヒモの張り具合を調整する。

・ヒモが切れそうになっていたりスナッピー自体が破損している場合は、新しいものに交換する。

メンテナンスの頻度

練習をした後やライブで演奏した後、クロスで汚れを拭き取っておくだけで、良いコンディションがキープしやすくなります。大掛かりなメンテナンスの頻度は2〜3ヵ月程度でOK。ヘッドを交換するときには、各パーツのメンテナンスが必要かチェックするようにしましょう。

スネアの保管の仕方について

スネアはスネア・ケースに入れて通気性のよい場所で保管します。ケースに入れる際は薄い毛布やタオルでくるんであげましょう。ちょっと角にぶつけてしまった時や落としてしまった時、スネアを守ってくれます。

スネアケースに布をしき、その内側にスネアを置きます。
上側もきちんと布で包みます。
この状態で、フタをすればOKです。

最近、市販されているスネア用のソフトケースは、かなりクッション性の高い材質が使われているので直接ケースにしまってOKです。スネアの大敵はホコリや湿気、直射日光。湿気はカビやサビの原因になり、直射日光はシェルの変色や変形につながります。また、長期間スネアを使わない場合でも、たまにケースから出してあげてください。スネアの状態チェックにもなります。

スネアメンテナンスで音への意識を高めよう

日々、スネアに触れ、メンテナンスをしていくことによって、スネアやパーツについて知るきっかけになります。スネアへの理解が深まると、音をより大切に考えるようになり、意識の向上や演奏の上達につながります。

また、自分が使っているスネアのメーカー、型番、材質やサイズなども知っておくと良いでしょう。修理やパーツ交換の時にとても役立ちます。いい音を鳴らすためのメンテナンス、その大切さを理解しながら楽器と付き合っていきましょう。

この記事を書いた人

編集部 田中
編集部 田中 さん

さんの記事をもっと読む