隣人トラブルを防ぐためのマンション選びポイント〜まずは周辺環境をチェック〜

マンションの隣人トラブルはたくさんあります。考え方や生活スタイルの異なる人々が薄い床や壁を隔てて、近くで暮らしているので、避けられないものです。

例えば、夢のマンション・ライフと家族で期待に胸ときめかせて入居したのもつかの間、下の階の住人が鬼の形相で「うるさい!」と怒鳴りこんでくる……などという状況もあり得ます。

そんな事態にならないように、どのようにマンションを選べばよいのでしょうか?

今回は具体例を挙げつつ、トラブルの対策について解説していきます。

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マンションでよくあるトラブルの例

1.上下階の床振動

マンションでよくある音のトラブルで一番多いのが、上下階の床振動に対するものです。

築年の経ったマンションでは二重床や二重天井になっていないものが多く、上下階の振動でトラブルになるケースは多くありました。歩行音やトイレを流す音まで聞こえることもあったのです。

近年施工されるマンションは壁厚が大きく、さらに二重床や二重天井になっていることが増えていますが、それでも床を跳ねる音や走る音、物を落とす音などは意外と響きます。

そしてトラブルになりがちなのは子どもがいる家庭です。子どもと言っても、小学校を卒業するぐらいまでの子どもは部屋の中でどうしても走ったり跳ねたりしてしまうものです。

最近ではコロナ禍で自粛している間、子どもが運動不足の影響なのかYouTubeやTikTokなどの動画サイトを見ながらダンスやアクションの練習を部屋の中でしてしまい、階下から苦情が来るケースが多発しました。

マンションでは振動・音のトラブルが多い
マンションでは振動・音のトラブルが多い

2.上の階からの落下物

マンションでの隣人トラブルの一つに、バルコニーからの落下物があります。マンションは構造的に1階に専用庭、低層階に広いバルコニーがあるような斜線規制や日影規制に合わせて階段状になっている物件が多いものです。そうすると、上層階のバルコニーで干している洗濯物や小型の物干しなどが風にあおられて落下してくることがあります。

小さなものとはいえ固形物が一定の高さから落ちてくることは非常に危険です。下層階のバルコニーでくつろいでいるときに上から物が落ちてくるなんて想像するだけでもゾッとしますね。

3.ペット問題

隣人トラブルで多いのはペットの問題です。最近のマンションでは一定の規則のもとで、大型の猫や犬が飼えることが多いです。

しかし、よく吠える犬を飼っている家への苦情がよくあります。特に飼い主が仕事に出た後に犬が寂しくて鳴き続けることがあり、隣の部屋から管理会社を通じて何とかしてくれと言ってくるケースがあります。

ペットの鳴き声などがトラブルの元になることも……

隣人トラブルを防ぐために周辺環境をチェック

1.立地と部屋のタイプから住民の属性を把握する

マンションの立地や部屋のタイプによって住民の属性が変わる傾向にあります。

例えば幹線道路沿いや高速道路の近くにあるようなマンションであれば、常に一定の騒音が出ているエリアなので音に対する許容度が高めな人が多いです。

一方で繁華街の近くだと住民の生活時間がバラバラなことが多く、昼夜逆転生活を送っている隣人などがいると騒音トラブルがおきやすいです。

騒音に関する隣人トラブルを防ぐには、住みたいマンションがどのエリアでどういう住民が多く住んでいるのかを事前に調査しておくことが大事です。

マンションの周りのエリアの雰囲気を知っておくことも大切。

2.火災や事故による影響の確認

火災による延焼や事故による風評被害も隣人トラブルの一つです。

火災や事故が起きると家屋の財産としての価値が棄損されてしまいます。例えば火災を防ぐためにIHシステムキッチンや消火器・避難経路の整備がしっかりとなされているマンションを選ぶのも有効な方法です。

また、事故が起きないようにバルコニーや外廊下の柵の高さが高いものや、一定以上の高さは開かない窓にしているなど、安全対策が多重に施されたマンションを選ぶことも大切です。

設備やルールなど事前にチェックできること

1.壁・床・天井を事前にチェックする

マンションを選ぶ際に、壁の厚さ、床や天井の構造などを事前に調べておくことが大切です。音は閉めている窓からも漏れますので、ペアガラスや2重サッシなどになっているかも調べましょう。とんだり跳ねたりするような子どもがいる家庭では、下の階への影響がないように1階の部屋を選ぶことも重要です。

2.家庭内でルールを決める

ルール面においては、音が出ることの影響を子どもにきちんと教育をする、夜の一定時間以降はピアノなどの楽器の演奏を控え、音楽を大音量で聞かないなど、家庭内で決めておくことが大切です。

3.隣人との関係をつくる

隣人や上下階の住民と顔見知りになっておくことも効果的です。引っ越した時にはきちんと挨拶をし、普段すれ違ったときも挨拶や会釈をするようにしておけばトラブル防止につながります。

4.マンションの管理体制を確認する

管理体制がしっかりとしたマンションかどうかのチェックは大切です。管理組合が適切な維持管理を行い、清掃や防犯がなされていることもチェックしましょう。よく管理されたマンションは住民の意識が高くなり隣人トラブルが減少します。トラブルが起きた時に、すぐに管理会社に相談できることもメリットです。

5.喫煙に関する規則を確認する

バルコニーでの喫煙は隣人トラブルの大きな要因です。マンションは管理組合の規定でバルコニーを含む共用部での喫煙が禁止されていることが多いです。それにもかかわらず、室内での喫煙を嫌ってバルコニーで吸う方がいます。そうすると、においや煙が隣人の室内に入り込みトラブルになるケースがあります。管理組合の規則をきちんと確認し、守ることが重要です。

6.ゴミ出しに関するルールの確認

ゴミ出しルールを守らないことも隣人トラブルの要因となります。きちんと分別されていないゴミや、粗大ごみを通常ゴミとして出すなどすると、清掃業者に持って行ってもらえず、ごみがたまってしまいます。衛生面でも問題がありますので、規則は遵守することが大切です。

ルールを守るのは大前提!マンションのルールをよく確認しましょう
ルールを守るのは大前提!マンションのルールをよく確認しましょう

騒音トラブル回避には防音マンションが効果的

1.防音マンションの仕組み

防音マンションは、音が漏れる原因を追究し、その欠点を補う形で設計・施工されていますので、騒音トラブルには非常に有効です。壁の厚さを一定以上にすることと浮き床・二重天井の両方を行うことで空気の層により音の伝わりを防ぎます。

換気口からの音漏れを防ぐ独自の吸排気システムにすること、防音性能の高い二重サッシの採用などの工夫もされています。

これらによって、通常の生活レベルでの騒音であれば全く感じないレベルになっています。ただし防音性能には差があり、防音マンションであればドラムを入れたバンド練習ができるというわけではないので注意しましょう。

2.楽器を演奏しない方にもおすすめ

楽器演奏をしない方でも、大きめの音で音楽や映画を楽しみたい方には防音マンションが効果的です。室内の音を外に出さないだけでなく外からの音を遮断できるので、集中して音楽や映画を楽しめるのです。

また、防音マンションは騒音を気にせずに暮らしたいという似たような意識を持った人が集まるので、仮に音が漏れたとしてもある程度理解できる住民が多い傾向にあります。これからマンションへの引っ越しを考えてている方は防音マンションを検討してみてはいかがでしょうか?

以前カナデルームで取材した防音マンション「ラシクラス蒲田」

まとめ 

音に関する捉え方は人それぞれです。人によって心地よい音も他の人にとってはストレスになることがあります。どういった立地でどういった人が住んでいるのかを事前にリサーチし、マンション選びをすることが大事です。

さらに1階や角部屋など、音に対して気になる隣人が少なくなる部屋を選んだり、鉄筋コンクリート造で壁厚の深い防音対策をされた部屋を選んだりするのは有効です。細かいことですが、床にカーペットを敷く、防音性能のあるカーテンを吊るすなども音に対して有効です。

音を出す大きさや時間帯への配慮も重要です。例えば夜9時以降は楽器を弾かない、テレビの音量は一定以上にしないなどルールを決めるなどです。

これらを参考にして、隣人トラブルの起きないマンションを探してください。

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この記事を書いた人

編集部 有瀧 さん

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