クラシック音楽などに用いられる“ハープ”。両手指で奏する“撥弦楽器”の1つで、柔らかで優雅な音色が印象的ですよね。
通常ハープの音量は他の楽器と比べて“小さい”と言われていますが、もちろん大きな音を鳴らすことも可能。そのため賃貸や集合住宅などでハープの練習に励みたい時は、きちんとした防音対策が必要になります。
では一体どのような対策をおこなえば、自宅で気兼ねなく演奏できるのでしょうか?
防音マット&防音カーテンを活用しよう!
ハープの音量は種類によって異なるものの、一般的には約100dBで“地下の構内”や“地下繁華街の音”とほぼ同じ大きさです。環境省の「騒音に係る環境基準」によると、一般的な住宅地で許容される音量は昼間の時間帯で55dB以下。夜間は45dB以下が基準値のため、いくら心地良い音色を奏でるハープであっても“騒音トラブル”になりかねません。
そこでまずは“部屋の対策方法”からご紹介。大きめのハープは床に置いて演奏するので、“防音マット”などの活用をおすすめします。
中には“絨毯”を敷いて床への反響を抑える人もいますが、この時“滑り止め”のシートやパッドを一緒に使うとよりグッド。「絨毯がズレてハープが倒れる」といった最悪の事態を防げますよ。
部屋に窓がある場合、“防音カーテン”も必須アイテム。しかし防音カーテンを設置しただけで、「完璧に音を封じ込めた!」と安心するのは禁物です。もちろん普通のカーテンより騒音を減らしてくれるものの、最大限効果を発揮するためにはいくつかのポイントをおさえておくことが大切。
まず1つ目は「窓枠より大きいカーテン」を選びましょう。隙間ができないように意識すれば、必然的に防音効果もアップします。さらに“分厚い生地”や“重い生地”は吸音・遮音性能が優れている証拠なので、音漏れをなるべく減らしたい人にはうってつけ。とはいえあまりに重量があると“カーテンレールの破損”にも繋がるため、耐荷重には要注意です。
ちなみに「防音専門 ピアリビング」では「防音カーテンコーズ」を販売中。音を吸収する「吸音布」と音を遮断する「遮音布」を組み合わせた“5重構造”の生地で、騒音をカットしてくれます。隙間からの音漏れも防げるよう、カーテンの“ヒダ”がないのも魅力的。どの防音カーテンを買えばいいのかわからない時は、同商品をぜひチェックしてみてくださいね。

防音室のメリット・デメリットは?
防音マットや防音カーテンなどの対策以外には、「防音室」を設置するのも1つの手段です。
防音室とは遮音設備を有した部屋のこと。一室の壁や床などを全てリフォームして防音室にする場合もありますが、部屋の中に“プレハブ小屋”のような形状のボックスを作る“組み立て式”も存在します。組み立て式は「設置に時間がかからない」「分解可能なので引っ越し先でも利用できる」など様々なメリットが。
一方で「大きさが決まっている」というデメリットもあげられるため、演奏を快適におこなえるかどうかの事前確認が必要です。特にハープの中でもポピュラーな「グランドハープ(ペダルハープ)」の全長はおよそ180cm前後。ある程度高さや幅のあるボックスでなければ収まりきらない可能性があるので、慎重に選んだ方がいいかもしれません。
また、より手軽な防音対策として「弦にタオルや布などを巻きつける」といった方法も。タオルがサイレンサー(消音器)の役割を担って“弦を弾いても響かない”という裏技ですが、当然音色も変わってしまいます。しかし“指のポジション確認”や“運指の確認”をしたいのであれば問題ないため、ちょっとした練習時に役立つのではないでしょうか。
賃貸や集合住宅でもハープの演奏がおこなえるように、今回紹介した防音対策をぜひ参考にしてみては?