楽器可賃貸にはどんな種類がある?楽器可賃貸専門の仲介会社メジャーハウジング(株)の場合【2】

カナデルームには、楽器相談、楽器可、ピアノ可、防音マンション、24時間演奏など、さまざまなタイプの物件が案内されています。
楽器可賃貸や防音マンションがいろいろあるように、じつは不動産会社もいろいろ。音大生や演奏家向けの楽器可物件のみを案内している会社から、オーナーさんへの相談次第で楽器OKという楽器相談物件を案内する会社もあります。となると、あなたがどんな楽器可賃貸がよいのか、どんな不動産会社に問い合わせするのがよいのか悩んでしまいますよね?

そこでカナデルームは、まず、楽器可賃貸の仲介を専門に事業を展開するメジャーハウジング株式会社を訪ねてみました。当社は音大生や演奏家といった毎日楽器の音を出したい方への楽器可賃貸をおよそ10年にもわたって紹介してきた、いわば楽器可賃貸仲介のプロ。今回は楽器賃貸にはどのような種類があるのか店長の東原さんに教えていただきました。

一番多いのは、音大生・演奏家向けの楽器可賃貸

楽器によって違う音の大きさや響き。音は演奏する人によっても変化します。楽器可賃貸には楽器ごと・演奏する人ごとに選ぶべき種類があるのでしょうか?まずはメジャーハウジングさんで取り扱いが一番多い楽器可賃貸についてお聞きしました。

「一番多いのは昔ながらの音大生・演奏家向けの物件です。このような物件は演奏者限定にしているわけではありませんが、楽器を弾く人ばかりが入居しています。たまに楽器演奏は趣味程度で週末だけ音を出したいという人が入居を希望しますが、こういうときは”周りは全部、音大生や演奏家で毎日弾いています。音がガンガン聞こえて住んでいられなくなると思います。それでも音に対してクレームは言えないですよ”と説明して、その上で選択してもらいます。すると結果的に演奏者だけになってしまいます」メジャーハウジング(株)東原さん

つまり、音大生向け楽器可賃貸では演奏者がお互いの音を許し合っているわけです。こういった物件の防音性能は低いのでしょうか?

「ある程度、遮音・防音性はありますが完全防音ではありません。例えば、”演奏時間23時まで”や”防音マンション”と記載された楽器可賃貸でも基本的に音は漏れます。だから演奏時間が設定されています。演奏時間は9~21時とか10~20時などですね。最近は24時間演奏できる物件が増えてきましたが、完全に24時間の物件は少ないかもしれません。例えば、”ピアノ鍵盤楽器・弦楽器は24時間、金管楽器は23時まで”とか。また、”昼間100デシベル(db)まで、夜間は80デシベルまで”とデシベルで時間を区切っている物件もあります」メジャーハウジング(株)東原さん

以上のような楽器可賃貸は、基本的に江古田や仙川などの音大周辺にあります。中野や高円寺などの人気があって住宅が密集しているエリアには、近隣からクレームが来る可能性があるのでほとんどないそうです。

「ピアノ可」でもピアノだけとは限らない

では楽器可賃貸にはどのような楽器が入れるのでしょうか?現在のところカナデルームに掲載されている物件は「ピアノ可」が一番多くなっています。

「楽器可賃貸で演奏していい楽器は1つだけではありません。ピアノ可となっている物件でもグランドピアノやバイオリンなどの弦楽器も可となっていることが多いです。備考欄に”グランドピアノ、声楽、金管OK”などと書かれています。演奏できる楽器の組み合わせは物件により違います。ですが、”バイオリン可”の物件が”弦楽器可”としないのにはわけがあります。
それは、同じ弦楽器でもバイオリンとコントラバスでは音の大きさも響きもぜんぜん違うことからです。物件ごとに演奏表(演奏できる楽器や時間を示したもの)を作っている業者さんもありますが、まだまだ少ないのが現状です」メジャーハウジング(株)東原さん

楽器可
「グランドピアノ可」は重さの問題ではなく、防音性、搬入経路、エレベーターの大きさがポイントとなる。

さらに、「ピアノ可」と「グランドピアノ可」の差について伺ってみました。グランドピアノは重さが気になるところですが…?

「グランドピアノの重さは普通のマンションなら床が抜けることはありません。昔ながらの木造アパートの楽器可賃貸でも、グランドピアノ可は普通にあります。1階2階で重量構造の差があるので、グランドピアノではなくアップライトにしているオーナーさんがいないわけではありませんが…。それよりも音量や搬入経路、エレベーターの大きさが問題です。6人乗りエレベーターではC3サイズのグランドピアノが入りません。防音マンションなどでは戸数が少なくても9人乗りエレベーターになっているものが多いです」メジャーハウジング(株)東原さん

安心して紹介できるのは、演奏時間が設けてある楽器可賃貸

音大生や演奏家といった毎日楽器を演奏する人にぴったりな楽器可賃貸。しかし24時間演奏できる物件は少なく、多くの物件に演奏時間が設けられています。

「うちの場合は演奏時間がある物件しか紹介しません。楽器可賃貸にはいろいろな業者さんの物件がありますが、物件を管理する業者さんに責任を持ってもらえるのは演奏時間がある物件です。仲介する以上、お客様からクレームは避けたいところ。だからこそお客様には”何時~何時までなら大丈夫”と紹介できます」メジャーハウジング(株)東原さん

つまり、きちんと演奏時間があるものが音大生・演奏家向けの物件。では、演奏時間の設定がない物件とはどういうものでしょうか?

24時間演奏できる”防音マンション”

近年増加してきたのが、”防音マンション”と呼ばれる楽器可賃貸です。これらは音大生向けの楽器可賃貸より防音・遮音性能を高めて24時間演奏を掲げたものが多くあります。

「音大生向け楽器可賃貸といわれる物件には、エレキギター、エレキベース、ドラムなどのポピュラー・ロック系の楽器の人にはご紹介できません。アンプつないで演奏するエレキなどは基本的に音が漏れてしまう楽器可物件ではNGなので、防音マンションをご案内します。しかし防音マンションはある程度郊外へ行かないとありません。家賃6~7万円台の物件は皆無です」メジャーハウジング(株)東原さん

防音マンションの建設は普通のマンションより非常にコストがかかります。家賃や立地のデメリットは当然なのかもしれません。しかし、近年は各社の企業努力により改善されつつあるようです。

楽器可
エレキギターやエレキベースの人は、防音マンションで探そう

楽器可賃貸は一人暮らし用のものだけ?

最後に、楽器を弾くための賃貸物件は一人暮らし用のものばかりなのかを聞いてみました。

「楽器可賃貸全体の中では、一人暮らし用が全体の約9割、残り1割が2人暮らし~ファミリータイプになります。2人暮らし~ファミリータイプの楽器可物件とは、普通の分譲のマンションの1室が防音室になっているものでたまにあります。防音マンションも一人暮らし用のものが多いです」メジャーハウジング(株)東原さん

以上は楽器「可」賃貸物件に関するお話です。2人暮らし~ファミリータイプは楽器「相談」の賃貸物件が多く、カナデルームにも多数掲載されています。

さまざまな楽器を弾く人がいて、さまざまな楽器可賃貸があります。その複雑なマッチングのノウハウを持っているのがメジャーハウジングさん。本気で楽器が弾けるお部屋を探したい人は、ぜひご相談ください!

この記事を書いた人

編集部 中根
編集部 中根 さん

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