賃貸物件でもできる防音対策(壁・床・天井・窓・防音ボックス)

部屋で楽器を弾くためには部屋の防音性能が重要です。しかし賃貸物件では、壁に穴を開けたりクギを打ったりする防音対策は避けたいものです。

壁が傷ついたり穴が空いたりしてしまった場合、退去時に原状回復工事(部屋を入居前の状態に戻すための工事)の費用負担をしなければならない可能性があります。

そこで、今回は賃貸物件でもできる防音対策についてお話します。

サイレント楽器を使用したり楽器に弱音器・消音ユニットをつけたりするなど発生源の音を小さくすることも有効ですが、ここでは建物にできる防音対策を重点的にお話します。

窓に対してできる防音

窓は外部に対して最も防音性能が低く音が漏れやすい場所です。まずは防音の弱点になる場所へ対策をすることが全体の防音性能をアップさせます。

窓に対してできる防音方法は主に以下の3つです。

  • 防音カーテンをつける
  • ガラスに透明な遮音シートを貼る
  • 隙間テープを貼る

とはいえ、これらは楽器の演奏に必要な防音性能よりはるかに小さい性能なので、「無いよりマシ」という程度だと思っておく必要があります。また、防音カーテンは部屋の中の残響を短くしますが、部屋の外への音を漏れないようにする効果は低いです。

より防音性能を高くするためには窓用防音パネルをつけるのが良いでしょう。具体的には窓枠の中に防音パネルをはめ込みます。隙間があると音が漏れるので、ぴったり作らなくてはなりません。各種防音業者が販売していますが、オーダー品となるため3万~10万円程度の費用がかかります。

窓の隙間を埋めるためのテープ。ホームセンターなどで購入できる。

DIY例。窓にぴったりとパネルを貼ることで防音性能を高めることができる。
DIY例。窓にぴったりとパネルを貼ることで防音性能を高めることができる。詳しくは是永巧一氏のインタビュー記事を参照。

これは部屋の中の響きを抑え、部屋鳴りを軽減するという方法です。特に低域の音は部屋の形や大きさにより共鳴して、ある音程の音だけが大きくなることがあります。

カーテンやラグなどは、あくまでこの共鳴をなくすことが目的なので、基本的に他の防音対策とあわせて使用する必要があります。

低域の音が共鳴しやすいのは部屋の角です。部屋の角にぬいぐるみを置いたりカーテンだまりを作ると共鳴しにくくなります。

また、紙は吸音力のある素材なので、本棚を部屋の角に置くと同じ効果があります。

共同住宅の場合は隣の家との壁側一面に本棚を置くことは防音に対して有効です。天井と床がどちらも反射する材料の場合は共鳴を起こすことがあるので、床にラグやマットを置くと良いでしょう。

ラグやマットを敷くことで部屋鳴りを軽減できる。
ラグやマットを敷くことで部屋鳴りを軽減できます。

ピアノ・チェロ・コントラバスなどの防音

床に楽器がついているピアノ・チェロ・コントラバス・ドラムなどは床の振動を発生させるため、床の防音性能を高める必要があります。

ピアノで最も簡単にできる床の防音対策は、脚にゴム製の防音インシュレーターを使用することです。また、市販で防音床パネルが販売されています。

チェロ、コントラバスなどは防振ゴムの上にベニヤを置いて自身で防振パネルを自作できます。上にカーペットなどをかぶせるとなお良いでしょう。ドラムや打楽器は低音の打撃音が大きく、防振をするのが特に困難なので、防音業者に相談する方が安心です。

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防音ボックスの導入

上記より強い防音が必要な場合は、防音ボックスの導入をお勧めします。防音ボックスは部屋の中にもう一つ部屋を作る方法で、床や壁に穴をあけず独立した部屋を作ることができます。

防音ボックスにもさまざまな仕様があります。最も安いのはダンボールを使用した簡易ボックスや、高価なものでは部屋の形に合わせたオーダーで作るものもあります。ダンボールなど軽い素材で作られているものは防音性能が低く、重い素材で作られているものほど防音性能が高くなります。

どれも注意する点は、隙間があるとそこから音は漏れていくということです。音は目に見えないからこそ大変難しい点です。

防音ボックスをDIYで製作することも可能ですが、隙間なく作る必要があり、重量が重くなるため施工が大変になります。

空調・換気の部分でも隙間ができやすいため、粘土などで隙間を埋めることが大切です。

室内設置型の防音ボックス。床や壁に穴をあけずに設置できる。詳しくは過去の記事を参照。

防音ボックスには「D-30」「D-35」「D-40」などいろいろな性能がありますが、楽器の音量は平均で80dB(デシベル)くらいあります(楽器により異なります)

D-40の防音ボックスは単純計算すると[80dB-40dB=40dB]。つまり防音ボックスのすぐ外側では40dBほどの音が漏れます。40dBの音は楽器で何の曲を弾いているか分かるレベルで、人の声やテレビの音量と同等です。

この漏れた音が、隣の家にはどのくらい影響があるか考える必要があります。通常隣の家から話声やテレビの音がどのくらい自分の部屋に聞こえてくるかを参考にすると良いでしょう。

周りが静かになった夜中は特に音が聞こえやすい状態ですので、時間帯によっては演奏を控えることも考える必要があります。

まとめ

今回は賃貸物件でもできる防音方法をご紹介しました。

制限のある中での防音には限界があり、1つの方法で解決することはありません。住んでいる部屋で対策が可能な方法を組み合わせて使うことが大切です。

また、もともと防音対策のされた部屋でも音が漏れることがあります。今回ご紹介した対策を併用することで防音性能を上げて気兼ねなく楽器を演奏できる環境を作りましょう。

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